ハッカ油物語 ～森になったプッシーキャット～

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ハッカ油をおフロに入れると冷房知らずの人生を送ることができるとネットで見たのです。深刻な冷房依存症になりつつあるあたくしの日常を健康的で古きよき日本の暮らしに引き戻したい、あたくしは常々快適な部屋の中で「らくして電気代ももうかる方法はないか」と考えていました。

しかし、決め手がなかったのです。

ハッカ油のニュースはあたくしにとって天啓とも呼べるものでした。すぐにアマゾンで注文し、伏してお待ち申し上げました。（冷房のきいた部屋で）

そして、やってきたのです。
ハッカ油様が、ご降臨なされたのです。

あたくしは受け取るやいなや大変に喜び勇んでふろに湯を張り、そして歓喜に満ち溢れてハッカ油をじょばじょばと入れました。そして盛大にキャストオフするとあたくしは湯船に飛び込んだのです。

∬ﾟ ヮﾟ)フンフーン

さわやかなハッカの香りの中でゆったりと湯に浸かる。なんという喜びでしょう。しかし、別に涼しいわけではありませんでした。

しかし……その時は静かに迫っていたのです。

∬ﾟ ヮﾟ)フフーンフンフン　フン？

∬ノ)`ω'(ヾ)

∬ﾟ oﾟ)ｽｰｽｰ

∬ﾟдﾟ)ｽｰｽｰ！

さッ……寒いッ！水、いやお湯が冷たいッ！！なにこれやだー！

お湯に使っているはずなのに、秋のプールのように冷たいのです。いや、温かいことは温かいのだけど冷たいのです。そして、どちらかといえば、寒いのです。

「このままではこの雪山に飲み込まれてしまう！」

あたくしはピッケルもザイールも放り出して悲鳴を上げふろから飛び出しました。部屋に戻れば暑いはずや！

しかし、暑いはずの部屋は北極のようでした。扇風機から出る風はアンドロメダの瞬による渾身の攻撃のように肌をたたき、風の触れたところからは大量に出血し、神経毒が注入されました。

「たすけてー！」

あたくしはお布団の上を転げ回りました。痛い！体中が痛い！ジ・オール・オブ・マイ・ボディ　イズ　ペイン！アズ・スーン・アズ・ポッシブル・ゴッド・セイブ・ミー！たすけて！

汗なんて一滴も出ません。助けを呼ぼうにも声なんて出ません。あたくしは絶望して、節が開かなくなってしまっただんご虫のように横たわって痛みに耐えていました。



それから長い年月が過ぎました。
あたくしの体は大地と一体になり、豊かの森の一部になりました。木々や動物たちとともに、季節を移ろう大いなる存在になったのです。もう、絵がうまくかけなくて死にそうになったりホルモン焼きを頼んだらふつうの生姜焼きだったりおっぱいを見てねじれたりする必要はないのです。

森の一部となったあたくしは、今でもハッカ油のスースーした涼やかさに守られています。

ハッカ油は超効きました。
ハッカ油をおフロに入れるときはたぶん３滴とかで十分です。

あと、ハッカ油を常用するとネコちゃんに嫌われます。
注意しましょう。

今日はこれからワンフェスにゆく。
ヒトミンもまもなくやってくるでしょう。


１時間くらいしてじわじわ汗がでてきた。

ＨＯＯＯＯＯＯＯ！

＋ありこ＋