立ち位置を考える

そもそも価値観を共有できていないのに、そういうものがあるという前提で形成されているコミュニティってのは世の中には多い。厳密に言ったらほとんど全てのコミュニティがそうだと言えないこともなく、それゆえに人間が集った時にはさまざまな軋轢が生じる。

まっとうな環境である程度の年数を生きた人間ならそうした認識は誰でもうっすらとは持っているはずだ。しかし不思議なことに、こと自分が依存するコミュニティになるとまったく話が変わる連中が意外に多い。（属しているということだけならバランスを取れている人でも）

ひとつ共有している場所があると、そこに依存心の強いものほどそれを「絶対の価値観でみんなが共有してるはず」だと錯覚し、その価値観に反する行動をするものを非難するようになる。自分勝手な思い込みでしかないのに、思い通りにならない他人を責めるのだ。

例えばある人間のゴールは別の人間にとって過程かもしれない。あるひとつの努力の成果物は別な人間にとってはもっと重要な何かの副産物でしかないかもしれない。見た目は同じカテゴリーの同じようなオブジェクトも、全てが同じ目的、動機、プロセスで作られているわけではないのだ。もちろんオブジェクトだけに限った話ではない。

あるものを、自分の目線まで無理やり引っ張り上げて価値観に合わないと非難する。それは僕だってよくやることだからそれ自体を非難するつもりはない。しかし、そうした非難の対象が被非難者にとって視界の外だとしたら、これはもう不幸というほかはない。そこには絶望的な隔たりがあり、話し合って埋めようにも片方には見えないのだ。

ある場所を「発展を望まず、変わらない姿のままいつまでも保存・維持したい」と願う人間と「今この場所がホコリにまみれ廃れているのが我慢ならない。ネオンサインつけて宣伝すべき」なんて憤る人間が決して和解できないように、そうしたギヤップは埋めがたいと思う。

別に自分が前者というわけじゃないけれど、そのくらいの価値観の違いがひとつの場所を巡っても存在することがよくあるって話。必死になってそれをどうこうしようってのは僕からするととても滑稽な姿に見えて仕方がないのだけど、どうやら当事者の方々はそういうものが見えないようで…。

とりあえず自分の人生経験上は「考えがあってやっていることなら他人に何言われようと気にすんな。でも他人様のご意見とやらはきちんと聞いとけ」というのが正しいスタンスだ。


今日はそんなことを考えさせられる機会に恵まれたので、それに対して自分の立ち位置を確認する意味で書いてみた。あと軽いジャブで（笑）

色々書いて来たけど、想定する収穫日までのスパンの違いや手法の違い、ある場所へのスタンスの違いなどによって同じ場所だけを共有する連中と短期的に摩擦が生じるのは前もって分かっていたことだし、それによってどうこうという修正や変更も特にするつもりはない。学生時代じゃあるまいし、面倒くさいのと同じ土俵に上がっておしあいへしあいなんてやってる時間はない。


しかし、みっともないのは反省しないといけないんですが。

関係者の皆さん、どうもありがとうございました。
おかげさまで良い一日でした。

ああそうそう、くろまるさんがなにやら今日から生まれ変わるそうなんで期待してます。頑張って下さい。

goodbrush＠批判と叱咤を見分けてほしい極論事務所