キミ、なっちゅをもらえるかね
2008
日本人の美徳のひとつとして「コツコツ地道に努力を積み重ね、最終的には成功を勝ち取る」というものがあります。逆に「うまいことやって成功する道を探る」のはなんかいやらしくて美しさがないような印象です。そういうセコい発想で行動していると時間と能力を徒に消費し、結局「無駄にした時間コツコツやっていればよかった」なんて悲劇に見舞われるのが相場とされています。
アリとキリギリスとかウサギとカメとか、小さい頃から読み聞かされてきたせいなんでしょうかね。でも、こういう美徳を持つ人で溢れるはずの日本の書店には「楽して儲けられます!」、「わたしはこうして一夜にして大成功した!そしてそれはあなたにもできる!」みたいな「美しくない」コピーが踊るノウハウ系の書籍が溢れかえっているわけです。(だいたい体験談+心構えのインチキ本だけど。)
楽して儲けたい。少ない労力で出世したい。
そりゃそうですよね。僕も楽して儲かりまくって何もしないで総理大臣になって3日でやめて履歴書に総理大臣って書きたいです。でも、そんなうまい話は他人や書籍からは転がり込んできません。
では、成功へのショートカットは存在しないのでしょうか。
そんなはずはないですね。少なくとも先ほどのノウハウ本を出している人たちは「成功」しているわけですから。もっとも成功なんてのはただの言葉でしかなく、人によってその内容やレベルは様々ですけど。
◆ ◆ ◆
ここにアリのように日々イラスト道に精進する真面目極まりないイラスト集団がいるとします。仮に「ハヒーオエカキ」としましょう。重要な自分たちのグループ名に「ハヒー」とか付けちゃうあたり、既に未来がないことを暗示しているようで素敵です。
彼らは日々デッサンを磨き、優れた作品をくまなく見渡し、売れているものを小馬鹿にせず研究し、見栄えのいいイラストを制作するための努力を続けています。イベントにも欠かさず参加し、自分の作品に対する人々の評価を生で確かめるようにし、より良い作品作りに生かしています。しかし引き合いはほとんどなく、成功する気配など微塵もありません。
彼らの絵の実力は市販の雑誌などで活躍している作家たちに遠く及ばないわけではありません。むしろ上回っている部分さえあるほどです。なのに、まったく仕事が来ない、お呼びがかからないのはどうしてでしょうか。
仕事が来ないのは彼らのことを知っているクライアントがいないからです。絵の仕事は依頼者とイラストレーターが相互に結びついて初めて発生するわけですから、その部分のリンクが切れていたらそもそも仕事なんて発生しません。彼らはそれを「自分達がいい絵を描いていないからだ」と勘違いしていますが、そもそも「いい絵」なんていう漠然としたものを目指している時点でイラストレーターとしては失格です。
クライアントは作家にとっての「いい絵」なんて求めていません。数字を打ち出すための力が欲しいのです。目に見えない価値をビジュアライズすることでブランド価値を高め、継続的に数字を叩き出すベースを生み出す。膨大な競合製品の中で顧客にとってのランドマークになるイラストレーターを求めているのです。多くの場合、依頼者はそういう目的で作家を発掘しているはずです。だからイラストレーターもまた、そうした依頼者たちのニーズに対してきちんとアピールするべきなのです。(そういう意図で作られた作品は当然ながら依頼者でない一般の閲覧者にとってもとても魅力的なものになるはずです。)
つまり明確な意図を含み、それをきちんと消化した上で抜け目なく自分のこだわりや作家性を乗せてきっちり成果を打ち出そうとする姿勢が見える作品こそがクライアントの心を惹きつける作品といえます。エロがアピールしやすいのはそのせいかも。
どんな業種でもそうだと思いますが、現場ではコミュニケーション能力の高くフットワークも軽やかで、依頼者の意図をすばやく察知し的確な提案を行える人間が重宝されます。イラストレーターなら絵は上手くて当たり前。その上でニーズを把握しきっちり消化した上でオリジナリティのあるアイデアを出し、そこに作家性というトッピングをできる人間が仕事を得るのです。
仕事は人間と人間の間で発生するもので、作家は暇でもクライアントには時間がないのが普通です。だから納期を確実に守れ、リスクも少ない安心感のある発注先を求めます。結果、「顔も性格もわからない実力者」よりも「気心の知れた間柄のそこそこ描ける作家」のほうに仕事が行くわけです。
そういうわけで、ハヒーオエカキの皆さんには第一にどんどん依頼者になりうる人間との人間関係を作り顔を広めること、第二にネット上では依頼者の(見る人の)心に訴えかける意図のある作品作りをすること、第三に顔の見えない相手に自分のことを好意的に伝えるために自己紹介やブログなどを効果的に使うことをおすすめして…
わたしは飲み会に戻ります。
実は取引先の人との宴会の最中です。このあとはキャバクラだそうです。
しかし携帯でこれだけ打つと指吊りますね。
長すぎて読み返す気にもなれないので、推敲などしません。
きっとまとまりも何もないと思いますが、ご勘弁を。
以上、自分で確認しておきたいことをつらつらと書いた文章でした。
しかしウサギとカメとか、そういう美徳は実は日本人の貧困や格差を生み出し、日本経済を衰退させた原因じゃないんでしょうかね。どうなんですか小泉さん。
goodbrush
最近のお気に入り。これが2本目。380円くらい。

アリとキリギリスとかウサギとカメとか、小さい頃から読み聞かされてきたせいなんでしょうかね。でも、こういう美徳を持つ人で溢れるはずの日本の書店には「楽して儲けられます!」、「わたしはこうして一夜にして大成功した!そしてそれはあなたにもできる!」みたいな「美しくない」コピーが踊るノウハウ系の書籍が溢れかえっているわけです。(だいたい体験談+心構えのインチキ本だけど。)
楽して儲けたい。少ない労力で出世したい。
そりゃそうですよね。僕も楽して儲かりまくって何もしないで総理大臣になって3日でやめて履歴書に総理大臣って書きたいです。でも、そんなうまい話は他人や書籍からは転がり込んできません。
では、成功へのショートカットは存在しないのでしょうか。
そんなはずはないですね。少なくとも先ほどのノウハウ本を出している人たちは「成功」しているわけですから。もっとも成功なんてのはただの言葉でしかなく、人によってその内容やレベルは様々ですけど。
◆ ◆ ◆
ここにアリのように日々イラスト道に精進する真面目極まりないイラスト集団がいるとします。仮に「ハヒーオエカキ」としましょう。重要な自分たちのグループ名に「ハヒー」とか付けちゃうあたり、既に未来がないことを暗示しているようで素敵です。
彼らは日々デッサンを磨き、優れた作品をくまなく見渡し、売れているものを小馬鹿にせず研究し、見栄えのいいイラストを制作するための努力を続けています。イベントにも欠かさず参加し、自分の作品に対する人々の評価を生で確かめるようにし、より良い作品作りに生かしています。しかし引き合いはほとんどなく、成功する気配など微塵もありません。
彼らの絵の実力は市販の雑誌などで活躍している作家たちに遠く及ばないわけではありません。むしろ上回っている部分さえあるほどです。なのに、まったく仕事が来ない、お呼びがかからないのはどうしてでしょうか。
仕事が来ないのは彼らのことを知っているクライアントがいないからです。絵の仕事は依頼者とイラストレーターが相互に結びついて初めて発生するわけですから、その部分のリンクが切れていたらそもそも仕事なんて発生しません。彼らはそれを「自分達がいい絵を描いていないからだ」と勘違いしていますが、そもそも「いい絵」なんていう漠然としたものを目指している時点でイラストレーターとしては失格です。
クライアントは作家にとっての「いい絵」なんて求めていません。数字を打ち出すための力が欲しいのです。目に見えない価値をビジュアライズすることでブランド価値を高め、継続的に数字を叩き出すベースを生み出す。膨大な競合製品の中で顧客にとってのランドマークになるイラストレーターを求めているのです。多くの場合、依頼者はそういう目的で作家を発掘しているはずです。だからイラストレーターもまた、そうした依頼者たちのニーズに対してきちんとアピールするべきなのです。(そういう意図で作られた作品は当然ながら依頼者でない一般の閲覧者にとってもとても魅力的なものになるはずです。)
つまり明確な意図を含み、それをきちんと消化した上で抜け目なく自分のこだわりや作家性を乗せてきっちり成果を打ち出そうとする姿勢が見える作品こそがクライアントの心を惹きつける作品といえます。エロがアピールしやすいのはそのせいかも。
どんな業種でもそうだと思いますが、現場ではコミュニケーション能力の高くフットワークも軽やかで、依頼者の意図をすばやく察知し的確な提案を行える人間が重宝されます。イラストレーターなら絵は上手くて当たり前。その上でニーズを把握しきっちり消化した上でオリジナリティのあるアイデアを出し、そこに作家性というトッピングをできる人間が仕事を得るのです。
仕事は人間と人間の間で発生するもので、作家は暇でもクライアントには時間がないのが普通です。だから納期を確実に守れ、リスクも少ない安心感のある発注先を求めます。結果、「顔も性格もわからない実力者」よりも「気心の知れた間柄のそこそこ描ける作家」のほうに仕事が行くわけです。
そういうわけで、ハヒーオエカキの皆さんには第一にどんどん依頼者になりうる人間との人間関係を作り顔を広めること、第二にネット上では依頼者の(見る人の)心に訴えかける意図のある作品作りをすること、第三に顔の見えない相手に自分のことを好意的に伝えるために自己紹介やブログなどを効果的に使うことをおすすめして…
わたしは飲み会に戻ります。
実は取引先の人との宴会の最中です。このあとはキャバクラだそうです。
しかし携帯でこれだけ打つと指吊りますね。
長すぎて読み返す気にもなれないので、推敲などしません。
きっとまとまりも何もないと思いますが、ご勘弁を。
以上、自分で確認しておきたいことをつらつらと書いた文章でした。
しかしウサギとカメとか、そういう美徳は実は日本人の貧困や格差を生み出し、日本経済を衰退させた原因じゃないんでしょうかね。どうなんですか小泉さん。
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