ぼくたちは きみたちは

ぼくたちは　いきている。

でも、ともだちはしんでしまったよ。
ずっとずっとずっと、目をとじてずっとこがれつづけた、まぶしい光のどこまでも続く重なり。ともだちはその中に、ついに飛び立った。

ずっとずっとずっと、こがれつづけた緑の、茶色の、白の、黄色の、青の、そして赤の。

ともだちはほんとうは、ずっとそれらを見つづけていたんだ。
ともだちは最初から、生まれたときからその光のことを知っていたんだ。初めて見開いたその目に、はじけるように差した希望に満ちた輝き。それはともだちがずっとずっとずっと見たかったもので、知っていたもので、右のポッケに大切に持っていたもので、その手に握り締めながら、ずっとあると信じていたもの。

ともだちは何気ない夏のあるとき、それをたしかめ、そしてしんだ。年老いたくぬぎの木に寄り添ってずうっと育ってきた樹皮の一枚のように、重々しくはかなく、満足そうにはがれて落ちた。

乾いた、軽い衝突音。

ともだちはそれまで過ごした大きなかたまりをからだ全体で小さくノックし、そのあとおおきなおおきな、輪の中に帰った。ポッケのなかの小さなかたまりを握りしめて。大きなかたまりをノックして。

ともだちの視界を埋め尽くした強烈な光たちは、ずっとずっとずっと、つづいてゆく。おおきなかたまり、ちいさなかたまり。そのうち２つのかたまりはふわっとつながって、やわらかいかたまりになってともだちをはこんでいった。

線は、どこにあった？


両手をひらげて、目をとじて、夢みよう。
そこでみえたものはみんな、きみのそばに、もうある。

だからぼくたちは、だいじょぶです。
安心して、精一杯。


＋ありこ＋