キミ、なっちゅをもらえるかね
2011
ふつうが いちばんでス。
もし、ある日超能力が使えるようになったらどうでしょう。
アタシなら、すでに目覚めている、もっと強力なエスパーがおって、その中には国家権力に属しておるのもおり、目覚めたものたちをすぐに見つけて捕まえる仕事についておるやつもおると考える。
そのため、普通の犯罪とかよりも見つかりやすく、例えばビルを丸ごと持ち上げるほどの念力が使えるとしても、捕まったばあい弁償させられたりするかもしんないので、そういうことはしない。
たとえば週末の六本木のおしゃれスポットに陣どり、今晩はキメるぜと張り切っているイケメンたちを念力でドリフみたくする、それくらいのことしかできない。
もしかしたら、世界で一番最初に超能力が使えるようになっているかもしれないので、その場合なにをしても決してバレることはないので新世界の王となって悪そうなやつはみんなころす。
でもその場合も結局気に入らないやつを殺したとしてそのあとどうすんの?みたいな話になって、そうすると世の中を変えるには自分が直接どうにかせんといかん雰囲気になって、結局一般人のルールの中で頑張らなくてはいけなくなる。
つまりどういう事かというと、超能力に目覚めたとしたら目立たない程度に使って目立たない程度にお金儲けをするのがよろしいのではないかということです。そんでもって、そのお金で株とかをやって増やすなどして裕福な暮らしを獲得して、そのあとでまだ世界を変えたいとかおもうなら、超能力をうまく使ってもっともっとお金を増やしてから政治に介入するのがよろしい。
お金持ちになって地位を高めてゆく中でもっとも必要なのは超能力でなくて社交力などの能力、その人のもつ個性のちからや魅力であるので、地位の高まりにつれてだんだんと超能力はパーティーグッズ程度の意味合いしかなくなり、最終的には女子のスカートをめくるくらいにしか使えんようになるのだ。映画のようにはいかないのだ。
それに超能力もひとつのツールであると考えれば、せっかく発現した超能力がニッチな需要を満たす商材であり、どのようなシーンで必要とされるか、またその必要とする人間にどのように知ってもらい、利用してもらうかなどを考え、リピートも想定した価格設定、そして自分の正体が利用者、また第3者によって特定されないシステムの構築をし、スピーディーな受注、サービスの提供を行わなくてはならないわけでス。そんでもってわりと早い段階からドス黒い仕事に手を染めることになり、「ドス黒い仕事をしているやつがおる」というその情報が最終的にアタシを逮捕に追い込むのです。
警察は「証拠は良く解らんけど絶対こいつがやっとる!」とおもったら、どんなことをしても捕まえるし、もし「こいつ超能力者なんじゃね?」とか思ったならそれはもう法律のかさの外でアタシ捕獲作戦がSATとかNASAとかCIAとかによって隠密裡に決行されてあっという間に世間的には死んだことにされるにちがいありません。
つまり、超能力に目覚めるということは、ほとんどの人にとって不幸なのです。超能力に目覚めたあと、上手に世の中を渡っていける人というのは、超能力なんかに目覚める必要はないのです。
お料理を食うときは、おはしを使うのが一番なのです。
ねむい
+ありこ+
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